2回目になります今回は、前回に引き続き「車椅子のひやりはっと」をお送りしたいと思います。
便利なものほど、危険や注意すべきことがたくさんあるものです。車椅子もその一つで、便利ですが危険もたくさんあります。早速事例を紹介していきましょう。
事例1 Aさんは、最近やや痴呆がみられ、歩行も不安定になっってきており、ヘルパーの介助を受けて生活していました。ヘルパーのBさんはAさんをテレビの前に座らせようと、寝室からリビングへと車椅子を移動していきました。 リビングへ到着し、ヘルパーのBさんが車椅子のブレーキをかけていると、、急にAさんが、フットレストに足をのせたまま立ち上がろうとしたため、車椅子が前に傾きAさんは転倒しそうになりました。 とっさに、ヘルパーのBさんが体を抱きかかえたため、事なきを得ることができました。 |
さて、事例1の原因は何か?フットレストですね。ブレーキをかける前にフットレストからAさんの足をおろすことで、今回の事例は防げたように思われます。
車椅子のフットレストに関わる事故は非常に多く、事例1のような転倒や、フットレストと床で足を挟んで骨折するなど、重傷または死に至る危険性を含んだ事故を起こすことがあります。
では、何故フットレストによる事故がおきやすいのか?それはフットレストが介助者にとって死角になりやすいからです。介護者はこのことに注意して、車椅子を使用する必要があります。
フットレストに関わる事故を防ぐには、フットレストの位置や状況を、停止時や乗り降りの際に必ず確認し、移動の際にもこまめに確認することが重要です。
続いて、事例2を見てみましょう。
事例2 ヘルパーのBさんは、Aさんを介助用車椅子に乗せ、買い物に行っていました。目的の店まであと数メートルというところで、グレーチング(格子状の溝のふた)の隙間にキャスターがはまり込み、その衝撃でAさんの体が前に倒れて車椅子から滑り落ちそうになりました。 すぐさま、ヘルパーのBさんはAさんの体をつかみ、近くの人に助けてもらい事なきを得ました。 |
今回の事例の原因はキャスターですね。キャスターは細い物が多く、ちょっとしたすきまなら簡単にはまりこんでしまいます。結果、恐ろしい事故につながったりします。
例えば、道端の溝の蓋にはまり込む、線路の隙間にはまり込むなど、交通事故につながる事例が多発しています。
こういった事例を未然に防ぐためにも、はまり込むような場所があるところは通らない、通る場合はキャスターがはまり込まないように注意しながら進むことが大切です。
次回で車椅子のひやりはっとはおしまいです。さらに、第1回、2回のまとめも一緒に行いたいと思いますので、是非ご覧ください。