第6回目を迎えました「福祉用具(介護用品)のひやりはっと」ですが、前回に引き続き「特殊寝台」のひやりはっとをお送りします。
特殊寝台と合わせて良く使う付属品の中に、「介助バー」というものがあります。起き上がりから、起立・着座・移動の補助をする、優れた付属品の一つです。そんな優れた付属品ではあるものの、ちょっとした不注意で大事故に繋がる可能性もあります。そんな事例を見ていきましょう。
事例1 普段から介助バーを利用して起立や着座を行う方麻痺を持つAさんは、この日も同じように起立を行っていました。起立が終わり移動をしようとした時、バランスを崩して倒れそうになってしまいました。 その時、握っていた介助バーが抜けてしまい、そのままベッドに倒れてしまいました。ベッドに倒れたおかげで怪我はなかったものの、もし倒れた方向が床であった場合、大怪我をしていたかもしれません。 |
事例2 方麻痺のAさんは、自立で立ち上がりを行いたいと、ヘルパーに介助バーのスイングアームを90度に曲げるよう指示し、立ち上がりやすいようにセットしてもらいました。 いざAさんが立ち上がろうとスイングアーム部分に手を置くと、突如スイング部分が動いてしまい、バランスを崩し転倒しそうになりました。 その自体に気付いたヘルパーは、すぐさまAさんの体を支えることで事無きを得ました。しかし、それ以来Aさんは、転倒に対しての恐怖から、自ら立ち上がろうとはしなくなりました。 |
理由は、スイングアームを固定していなかったからです。固定していないスイングアームに体重をかけることによって、スイングアームが動いてしまったんですね。
スイングアームは、その性質上必ず固定できるようになっています。なので、スイングアームを操作した場合は必ず固定しましょう。また、ちゃんと固定できているか普段から確認しておくことも大切です。
「特殊寝台のひやりはっと」いかがでしたでしょうか?次回は「ポータブルトイレのひやりはっと」をお送りしたいと思います。
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